初物七十五日

こんにちは。小豆島せとうち感謝館の西田征弘です。

3月7日に漁が解禁された、イカナゴの新仔(しんこ)の初物(はつもの)がさっそく鮮魚コーナーにならんでいました!このイカナゴを食べると「春がきた!」っていう感じがします!

この釜揚げのイカナゴは、今しか食べることのできないまさに今が旬の食材!近年は漁獲量が減り、以前よりも値段が高くなったなぁと感じるのですが、昔は瀬戸内海には本当にたくさんのイカナゴがいて、義父に聞いた話によれば、なんとイカナゴを食べに瀬戸内海の近くまでクジラが入ってきていたそうです。

イカナゴのお腹があか〜くなっているのは、アミエビなどの甲殻類を食べているからで、瀬戸内海のおいしいエサをたくさん食べているから、イカナゴもおいしく育つんですね。

うちの娘もこのイカナゴが大好物で、ひとりで1パックをペロッと食べてしまいます!そのまま食べてももちろん美味しいのですが、小豆島のおいしい醤油をあわせるとまた格別!風味豊かな木桶仕込みのお醤油をちょっと垂らして熱々のご飯にのせれば、何杯でも食べれちゃうおいしさなんですよね!

ことわざに「初物七十五日」というものがあります。初物とは、旬の出始めたばかりの食材のことで、初物は縁起がよく、食べると寿命が75日延びると言われてきました。以前手伝っていた魚屋でも、初物の魚が入れば、必ず「今日のは初物やで!」と義父が必ずお客様におすすめしていたのを思い出します。

旬のおいしいものは栄養価が高く、健康にも良いということを昔の人はちゃんとわかっていたからこそ、このようなことわざが生まれたのだと思います。冷凍や加工の技術が発達し、食材の「旬」が失われ、健康のために毎日サプリメントの錠剤を飲むような現代の食文化は、決して「豊か」だと感じることができません。日本には四季があり、季節の移り変わりとともに旬のおいしいものも変化するという昔ながらの素晴らしい日本の食文化を、これからも大切にしていきたいと思います。

小豆島せとうち感謝館 西田