初搾り!天然醸造蔵仕込み生醤油「木桶の雫」

先日ご紹介した国産丸大豆を贅沢につかった天然醸造蔵仕込みの生醤油「木桶(こが)の雫」の初搾りをぜひこの目で見届けたいと思い、醤油蔵にお邪魔しました!

今回搾るのは、昨年の冬に仕込んで一年かけてじっくりと醸造した醤(ひしお)もろみ。原料の大豆の原形はすでになく、トロっとした状態になっています。

まずはこのもろみを布の上に平らに広げます。その上に布を重ね、またもろみを平らに広げていきます。

この作業を何度も繰り返し、もろみの包まれた布を何段にも重ねていくことで、その重みでもろみが搾られ、布の目からお醤油がじわじわとしみ出してきます。

圧を強くかけて一気に搾るとお醤油がにごってしまい、良いお醤油が搾れないのだそう。だから最初は圧をかけることなく、時間をかけて自然に醤油をしみ出させていきます。それから徐々に圧をかけていき、なんと2日間にわたって搾りきっていきます。透明度の高い澄みきったおいしいお醤油を搾るためには、時間をかけてじわじわと布からしみ出させるような搾り方が大切なのだそうです。

圧搾の途中のもろみを包んで重ねた布です。今回はこれがなんと510枚にもなりました。もろみを一枚一枚これだけの枚数を包むだけでも、大変な労力です。もろみを仕込んでから一年間かけてじっくりと熟成、醸造させることだけでなく、最後の「搾り」の工程も本当に大変な作業だということがよくわかりますよね。

そしてこちらが搾り終わったもろみ(木桶の雫のものではありません)。平らに押し固められ、厚紙のようになっています。これは燃料や家畜のえさ、最近では肥料としても再利用されているんだそうです。

木桶仕込み「生」ならではの香りをお楽しみください
一般的なお醤油は搾った後に「火入れ」をして加熱処理を行いますが、この「木桶の雫」は火入れをしない搾ったまんまの「生」のお醤油です。もろみ本来の風味をより強く味わえるおいしいお醤油に仕上げたいという島の醤油蔵の職人さんの強いこだわりがここに表れています。今年の木桶の雫も「たいへん良い出来だ!」と職人さんが太鼓判を押してくれました!!

今回の取材で、小豆島の醤油蔵では昔ながらの製法を守り続け、これだけの大変な労力をかけているからこそ、おいしいお醤油が生まれるのだということを知ると、お醤油のひと雫が職人さんの血と汗と努力の結晶のように感じられます。

来月にはこの搾りたてのおいしい天然醸造蔵仕込みの生醤油「木桶の雫」をお届けできると思います!もうしばらく楽しみにお待ちくださいませ!

小豆島せとうち感謝館 西田