“天然岩のりの佃煮”…その1
先日、佃煮屋さんに行くと「今年も良いのが入ったよ〜」と佃煮職人さんがニコニコしながら佃煮の原料を見せてくれました!それは…、
この冬に獲れたばかりで緑色がとてもきれいな天然の“あおさ”です!天然のあおさは岩に自生することから通称“岩のり”とも呼ばれます。この天然の“あおさ”を原料につくられるおいし〜い佃煮があるんです!それは…天然岩のりの佃煮!今日はこの天然岩のりの佃煮についてご紹介します!
まず、“のり”の佃煮に使われる原料ののりには主にふたつの種類があります。
↓ ひとつは“あまのり”といって、主に焼き海苔などの板海苔の原料となる黒っぽい色の“のり”。
↓ そしてもうひとつが“あおさ”と呼ばれている、きれいな緑色をした“のり”です。
小豆島の佃煮職人さんによれば、やわらかく香り高い“あおさ”は佃煮にするには最高の“のり”なのだそうです。さらに養殖ではなく天然ものの「あおさ」となると、全国的にもとても希少なものなんだとか。この希少な天然もののあおさを使い「最高においしいのりの佃煮をつくりたい」という佃煮職人さんの想いが込められたこだわりの逸品が天然岩のりの佃煮なんですね!!
↓ この写真に写っているのが、養殖のあおさ。
↓ そしてこちらが「天然もの」のあおさです!見てのとおり、岩場にびっしりとついています。このように天然のあおさは岩場に自生しているため「岩のり」と呼ばれているんですね。
残念ながら天然の岩のりは小豆島では原料として確保できないため、九州で採れたものとなりますが、おいしい佃煮にはおいしい原料がかかせないため、佃煮職人さんがわざわざ現地に何度も足を運び、自らの目でのりの品質を確かめているのだそうです。
一見、茶畑で茶摘みをしているようにも見えますが、天然の「あおさ」を収穫しています!
グリーンに輝く、とてもきれいな天然の「あおさ」は丁寧に手作業で収穫を行います。あおさの収穫が行われるのは、厳寒の1月2月。私たちのおいしい「食」は、漁師さんや農家さんなどの一次産業に従事する人たちがこうやってがんばってくれているからなんですよね。本当に感謝です。
「あおさ」の最大の特徴は、なんと言っても磯のとても良い香りがすること。このあおさならではの良い香りを活かすも殺すも、佃煮を炊き上げる佃煮職人さんの腕次第なんだそうです。炊き上げが弱いと、青くささが強く残ってしまい、逆に長く炊き上げてすぎると磯の良い香りが飛んでしまうため絶妙な火加減での炊き上げが、おいしい岩のりの佃煮には重要なのだそうです。
そして「天然もの」のあおさを原料につかう際に、もうひとつ佃煮職人さんの頭を悩ませることがあります。それはまた次回にお話しをさせていただきますね。
小豆島せとうち感謝館 西田征弘