小豆島肥土山農村歌舞伎

こんにちは、九冨です。

皆様は今年のゴールデンウィーク、いかがお過ごしでしたでしょうか。
このご時世、今年は自宅でのんびり過ごしたという方も多いかもしれません。
何を隠そう、私もその1人です。今年は本当に久しぶりに、自宅でのんびりと過ごしました。

小豆島のゴールデンウィークと言えば、毎年5月3日に肥土山農村歌舞伎が開催されます。
今年は感染症対策の影響で残念ながら中止となりましたが、例年であれば新緑がまぶしく気候の良いこの時に、肥土山地区にたくさんの人が訪れます。

肥土山農村歌舞伎は毎年5月3日祝日に、離宮八幡神社の境内にある舞台で開催されます。
300年以上の歴史があり、香川県の無形民俗文化財としても登録されています。

かつては小豆島の様々な地域で行われていた農村歌舞伎ですが、現在では肥土山地区と中山地区の2つの地区でのみ継承されています。
最盛期の明治・大正期には、小豆島全体で歌舞伎舞台がなんと30カ所以上、役者は約600人もいたそうです。

農村歌舞伎の発祥は江戸時代までは遡り、かつてお伊勢参りに出かけた島民が、大阪の上方歌舞伎の場面を描いた絵馬などを持ち帰り、旅周りの一座や振付師を招いて演じるようになったのが始まりとされています。

演じ手や裏方の人たちはすべて、肥土山地区の住民の人たち。
子供たちも春休み返上で稽古に励み、子供歌舞伎を披露します。
その演目を、観客は舞台の目の前に広がる青天井の芝生にゴザを敷き、わりご弁当を食べながら見物するのです。

素朴な雰囲気ながらも迫力の演技で人を魅了してくれる、肥土山農村歌舞伎。
来年こそはまた華やかな舞台を披露してくれることを願っています。