小豆島の夏至観音

こんにちは、九冨です。

小豆島には毎年6月21日の夏至の日を境にして、およそ50日前後の間、晴れた日の15時ごろにほんの数分間だけ観音様の姿が浮かび上がってくる場所があります。

そこは小豆島の南東にある坂手港から車で13分ほどのところにある、小豆島八十八ヶ所霊場1番札所の「洞雲山(どううんざん)」。
札所を番号順にめぐる際には、ここから始めて時計回りに小豆島をぐるっと1周することになります。

その洞雲山の本尊を安置している洞窟の岩肌に、観音様の形をした影が浮かび上がるのです。
1年のうち最も日が長くなる夏至の時期にだけ、普段は光が届かない岩肌に光が差し込むというカラクリから「夏至観音」と呼ばれるようになりました。

この「夏至観音」が発見されたのは実はごく最近のことで、なんと平成の時代に入ってからのことなんです。
空海やその弟子の人たちが、この観音様の姿が現れる光の現象を計算した上で、この場所に第1札所を設けたのかもしれない。。
そう思うと、先人たちが1200年ものあいだ隠し続けていた神秘的な光景に、壮大なロマンを感じてしまいます。