創業七十年 小豆島の老舗の佃煮屋さん
先日、「えびちりめん」を炊き上げて頂いている、創業七十年を超える、小豆島の老舗の佃煮職人さんの炊き上げ現場に特別に入らせていただきました!
佃煮といえば日本の誇る伝統的な保存食。
そして日本人の魂ともいえる「白ごはん」と、最高の相性を持つ食材のひとつです。
お米そのものの美味しさを際立たせてくれる名脇役として、ご飯のお供に欠かすことができません。
私自身、佃煮職人さんとは「こんな佃煮があったら良いですね」とか、「こんな素材でお願いします」「この味はもう少し素朴になりませんか」などのお話は何度もさせて頂いてきたのですが、佃煮を炊いている現場に入らせて頂くのは、実は初めてだったのです。
まず最初に驚いたのは、佃煮を炊く大きな釜からモクモクと出てくるものすごい量の水蒸気!!
夏になると初めての人は数分しかもたないほどの、さらに強烈な熱気になるそうです。
そして佃煮を炊くお醤油や山椒の空腹感を刺激する、香ばしくって甘辛ーい、美味そうな香りが充満しています!
この水蒸気の熱気の中で黙々と佃煮を炊いているのが、熟練の佃煮職人さんです。
もともと小豆島の佃煮づくりは、戦後、食糧難の時代に、芋のつるを島の美味しいお醤油で炊いたことが始まりでした。
貧しく食材が手に入らない中、少しでも美味しいものを多くの方に食べさせたいという想いから始まったのです。
それから七十年あまりたった今も、その想いは小豆島の佃煮職人さん達に受け継がれています。
普段は「おにぎりの具」であったり「ご飯のお供」という脇役的な存在の佃煮も、佃煮職人さんがこんなに過酷な環境の中で一生懸命に炊いているのだと思うと、もっと感謝しなくちゃいけない、と少し反省しました。
ちなみに今回、炊いていたのは「小豆島せとうち感謝館」でも大人気の、「えびちりめん」。
瀬戸内海産の美味しいちりめんと、国産あみえび。この海の「うまみ」の代表選手をふたつ合わせた佃煮…絶対に美味しくないわけがありません!!
佃煮職人さんにきくと、特に海老は佃煮にすると、他の佃煮にはない香ばしさが出て抜群に美味しいんだそうです!
瀬戸内の美味しい海の幸と小豆島の美味しい醤油、そして島の佃煮職人が想いを込めて炊き上げた「えびちりめん」。
ぜひ一度、ご賞味いただけると幸いです!!
小豆島せとうち感謝館 西田征弘