脂がのった“おいしい魚”の見極めかた
先日ご紹介したメバル、実は鮮魚コーナーでひと目見て「おいしそう♪」と思って買っちゃいましたが、皆さんはおいしい魚をどうやって見極めていますか?
一般的によく言われていることが「魚の目」を見ることです。目からわかることは魚の鮮度。人間と同じで、魚もやっぱりキラキラと目が輝いていないとダメですよね!
そして魚屋を手伝っていたときに市場で義父から教わったのが「目と頭の小さい魚を選べ」ということ。最初は「なんでなんだろう?」と理解できませんでしたが、毎日魚をさばくうちにだんだんとその意味がわかってきました。
魚のおいしさを決めるのは身の脂。魚はやっぱり脂がのっているほうがおいしいんですよね。
そこで人間と同じように「よく肥えてそうだから」とおなかの大きな魚を選ぶと大失敗してしまうのでご注意を!魚の場合、おなかの大きなものは、ただエサをたくさん食べているだけで内臓を出すとおなかがぺったんこになって身はやせていたり、産卵前の魚だと卵や白子に栄養分をとられてしまっていて、身にはあまり脂がのっていないことが多いのです。
では身に脂がのるとどうなるかと言えば、頭の部分は骨なので大きくなりませんが、頭の付け根から背びれにかけての背中の部分の肉付きがグッと盛り上がって体高に高さが出てきます。義父が教えてくれた「目と頭の小さい魚」とは骨格に対して「肉付きが良い魚」ということだったんです。
上の3匹をくらべると奥の2匹よりも一番手前のメバルが頭の付け根からグッと盛り上がっているのがわかりますか?これがもっと脂がのってくると、腕の“ちからこぶ”のようにもっとプックリと盛り上がってきます。逆に頭の付け根から背びれまでの背中のラインが横ばいや下にさがっているものは、「あまり脂がのっていない魚」だと判断できると思います。
ただ、おいしい魚を見極められるようになって残念なことがひとつだけあります。それは娘と水族館に遊びに行っても楽しめなくなったこと。魚をみる目が「おいしさ基準」になってしまってからは、水族館の水槽の向こうで泳いでいる魚はやせている魚が多くって「エサをあまり食べてないのかなぁ…」となんだかかわいそうな気持ちになってしまうんですね…。だから最近は水族館よりも市場や鮮魚コーナーで魚を見る方が、おいしそうな魚がたくさん並んでいるのでワクワクします!
みなさまも機会があれば鮮魚コーナーで見くらべて、ご自身でおいしい魚をぜひ見極めてみてくださいね!
小豆島せとうち感謝館 西田征弘